クーラントが漏れていました。サーモスタットからです。この際ですから、サーモスタット、ウォーターポンプ、ラジエターホースを交換しようと思います。
手順
工具
- ソケット 10mm、13mm、T50
- ラチェットレンチ、トルクレンチ(5-25Nm用)
- ブレーカーバー
- シリコングリス
- スタンド、フロアジャッキ
- バケツ
前作業
- フロントをジャッキアップしてスタンドをかます。
- スプラッシュシールドを外す。
- ファン、エアクリーナーボックスを外す。私の場合、エレクトリックファンにしているのでコネクタを外すだけですが、カップリングファンの場合はSSTで外します。
- ベルトを内側と外側の両方外す。両方ともテンショナープーリーの真ん中のT50をブレーカーバーで右に回して外しました。(テンショナーをとめているボルトと間違えないように)外側のエアコンベルトは外さなくても作業できますがクーラントがかかります。
- ドレインスクリューを外してクーラントを抜く。ブリーダースクリューとタンクキャップを外すともっと抜けます。タンクの口から息を吹き込んでやると早く抜けます(あまりやるとクラクラする)。クーラントを再利用するつもりだったのでバケツに丁寧に受けました。作業中もドレンプラグから少しずつでてくるので受けておくといいです。
アッパーホースを外す
- エキスパンションタンク側の2か所。クリップをドライバーのようなもので引き上げてから抜く。引っ張っただけでは抜けません。少しドライバーのようなものでこじって隙間を開けました。
- サーモスタット側はクリップを外して引っ張ったら抜けました。
ロアーホースを外す
- ラジエータ側はこじっても力を入れても抜けません。これ以上やったらラジエータを壊すと思ったのであきらめました。次にラジエータを交換するときに一緒に交換することにしました。
- サーモスタット側はサーモスタットをエンジンから外してからドライバーでこじって外しました。
サーモスタットを交換する
- 10mmボルト3本、13mmボルト1本。10mmボルトは10Nm、13mmボルトは20Nm。エンジン吊り下げ金具と共締めの11mmは外す必要はありません。
ウォーターポンプを交換する
- プーリーを外す。固着しているのでプラスチックハンマーなどでたたきました。10mmボルト4本 10Nm
- ウォーターポンプを止めている10mmナット4個を外す。 10Nm
- サーモスタットをとめていたボルト2本を均等にねじ込んでポンプを外す。
- 外すときクーラントが出てきます。下にバケツを置いておきます。
- 取り付けるときは、Oリングにシリコングリスを塗りました。そのままでは入りにくいです。
- 逆手順で取り付ける。上下がありますが、穴の位置を見ればわかります。プーリーも方向があります。穴は均等に空いているわけではありません。10Nmは相当小さなトルク。トルクレンチがないなら締めすぎに注意しましょう。
ホースを取り付ける
- BMWはグリスを塗るなと言ってるけど少しシリコングリスを塗りました。
後作業
ベルトを元通りにかけて、エアクリーナボックス、ファンを取り付ける。
クーラントを充てん、エア抜きする
- 抜いたクーラントを必要があればろ過する。ベントレーマニュアルには、2年以上たってたら再使用するなと書いてありました。私は前回のクーラント交換から1年しかたっていません。
- ブリーダースクリューから泡の混じらないクーラントが出るまでタンクにクーラントを注入する。キャップを締めて、しばらく運転してクーラントが冷えてから液面を確認し減っていたら足す。
- 以上が正式な方法ですが、私は自作したエア抜きファンネルでエア抜きしました。満杯に注入してからファンネルを使ってエンジンをかけながらエア抜きします。サーモスタットが開いてロアーホースが熱くなるまで運転します。
交換雑記
作業時間
取り外しは午前中で終了。午後から取り付け及びクーラント充填を行いました。準備から後始末まで全部で4時間半くらいかかりました。さっさとやればもっと早くできるかもしれませんが、急ぐと失敗します。休憩は取ったほうがいいです。
クーラントの再使用
ドレンスクリューから抜けたクーラントは比較的きれいです。ウォーターポンプを外したときにドバドバあふれてきますが、これは汚れが混じっていそうなのでコーヒーフィルターでろ過しました。コーヒーフィルターは目が細かすぎて時間がかかります。ホームセンターでペイントストレーナーを買えばよかったと思いました。全部で4.6リッターをほとんどロスなく回収しました。新たに買った3本の純正クーラントは全然使いませんでした。
前後比較
アッパーホースの前後比較。太さが全然違います。古いほうはコネクタ部分も茶色になっています。これは替えておいてよかったと思います。古いほうは純正でContitech製、新しいほうはアフターマーケット品でFebi bilstein製。
古いサーモスタットのガスケットはペチャンコです。サーモスタットは古いほうが純正でBEHR製、新しいほうはOEMでWahler製。ほとんど差はありません。サーモスタットそのものは問題なさそうなのでガスケットだけ交換してもよかったかもしれません。
取り外したウォーターポンプは全く問題ありませんでした。替えなくてもよかったと思います。古いほうが純正でメーカー不明、新しいほうはOEMでSaleri SIL製。外形に違いがあります。インペラは両方ともレジンです。
心残り
ロアーホースはどうやっても外れませんでした。これを壊さずに簡単に外せる方法があるなら教えてほしいものです。
交換の効果
クーラント の漏れが止まりました。やはりサーモスタットで間違いありませんでした。