ドアミラーの格納不良を分解修理してみた(BMW E46 カブリオレ)Side mirror folding problem fix

投稿日:2023年11月22日 更新日:

私のE46 カブリオレのドアミラーが開閉しなくなりました。モーターが回り続けてギアが滑っている音がします。

ギアが割れていた

ドアミラーを分解した結果、やはりギアが割れていました。これが原因で空回りしていたと思われます。

取り外し方法、分解方法は、すでに以下の記事で投稿済みですので、そちらを参照してください。

一番難しいのはヒンジを作成すること

分解まで出来たら、あとは新しいギアに交換するだけです。しかし、元通りに組み立てるには、分解時に破壊したヒンジを再度作成する必要があります。これが一番の難題でしょう。

分解前にネットをいくら探しても見つからなかったのは、このヒンジパイプの寸法です。

外径12mm、内径10mm、長さ約50mm、厚さは思ったより厚くて1mmだとわかりました。

Existing hinge pipe 12mm OD, 10mm ID, about 50mm long

用意したもの

  • ステンレスパイプ Stainless steel pipe(12mm OD, 10mm ID, 300mm L)
  • CS止め輪 (M12) Retaining rings
  • ワッシャー(M12、外径20mm以下)Washers
  • 新しいギア (E46用、38歯)New gear
AliExpressで購入した
  • グリース Grease
  • T10トルクスドライバー torx driver
  • 13mmソケット(止め輪挿入用)socket

手順

新しいギアに交換、組み立て Install a new gear and reassemble

新しいギアをセットしてグリスを多めに入れておいた。元通りにねじ止めして組み立てる。

ステンレスパイプを切断 Cut a pipe

元のパイプ長さ50mmに少しプラスして60mm程度で切断。切断面の面取り。止め輪のスラスト荷重が少しでも増加することを期待して細いグルーブを入れた。I cut several thin grooves expecting the thrust force increases if possible.

ステンレスパイプの片方に止め輪を挿入しておく

片方のエンドに止め輪を挿入してワッシャーとスプリングをセットしておく。止め輪はスラスト荷重の増加を期待して2重にした。I set two retaining rings expecting thrust force increasing.

ミラーのベースとミラー本体を合体させる

ベースと本体を合体させてから裏側からパイプを挿入。表側にワッシャと止め輪を挿入。ソケットでスプリングを圧縮しながら止め輪を所定の位置に押し込む。Compress the spring and push the retaining rings using a 13mm socket.

動画にしたので参考にしてください。

完成

リボンケーブルを通してみた。とりあえず完成したが耐久性は未知数です。留め輪ではなくナットを使用したほうが確実かもしれません。Durability is unknown. Nuts method may be more secure.

しかしこの記事は、E46のドアミラーの格納不良をDIYで修理しようとする人にとって、役に立つ情報が得られれば幸いです。

使用に問題なし

車両に繋いだらちゃんと動作しました。車両に戻して使用していますが強度的に問題ないようです。

ヒンジ作成のその他の方法

色々とヒンジを元通りにする方法を考えました。I figured out several methods to make a new hinge tube.

  1. 外径10mmのネジ付きパイプを元のパイプの中に挿入して両端をナットで止める方法 Inserting a 10mm OD Lamp pipe nipple into the existing tube and putting nuts at both ends.
  2. 外径12mm、内径10mmのパイプの両端にダイスでネジを切りナットで止める方法 Cutting threads at both ends of the new tube 12mm OD and putting nuts.
  3. 外径12mm、内径10mmのパイプの両端に止め輪を挿入する方法(今回採用) Inserting retaining rings at both ends of a new tube 12mm OD. (my choice)
  4. 外径12mm、内径10mmのパイプの片方のエンドをフレア加工し、反対側はナットか止め輪で止める方法  Flaring at one end and putting nuts or retaining rings at another end.

1. ネジ付きパイプの方法 Lamp nipple

一番簡単な方法ですが、ネジ付きパイプの内径が7mmしかないのでリボンケーブルが入りません。リボンケーブルは中で自由に回転する必要があります。リボンケーブルではなくワイヤー接続のモデルならこの方法がいいでしょう。The ribbon cable must rotate freely in the tube. Inner diameter of the lamp nipple is too narrow for the ribbon cable. But if you have a 11 or 5 wire one, this method may be good for you.

2. ナットで止める方法 Nuts

これが確実にスプリングを止められる方法だと思います。問題点はナットを十分なトルクで締めることは不可能なので、ナットの脱落防止措置を取る必要があります。ダイスを購入する必要もあるので採用しませんでした。ダイスを持っていたらこの方法が確実でしょう。You should take mesures to prevent nuts from falling as you cannot tighten nuts. This will be more secure method.

3. 止め輪の方法 Retaining rings

安価です。プッシュナットを使用したいのですが、プッシュナットは外径が大きすぎて跳ね上げ式のこのミラーには使えません。軸方向のスラスト荷重はプッシュナットに劣りますがCS止め輪を使用せざる得ません。少し不安が残りますがこれを採用しました。Cheaper way. Push nuts cannot be used because outer diameter is too large to fit in a flip-up type mirror. I used CS retaining rings though the thrust force is inferior to push nuts.

4. フレア加工する方法 Flaring

メートル用のフレアリングツールが必要です。私の持っているフレアリングツールがインチ用なので使えませんでした。A metric flaring tool is needed. Mine is Imperial one.

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