高松市に行ったので、有名な栗林公園を見に行きました。入場料410円を払って入ると、すぐにボランティアのおじいさんが近づいてきて「案内しましょうか?」とのこと。タダでいろいろ聞けるのなら断る理由もありません。お願いしました。猛暑の中、無償で郷土のために尽力しておられることに頭が下がります。
栗林公園に関しては、紹介サイトで事細かく説明されているので詳細はそちらを見ていただくことにして、詳しすぎて読む気がしない、という人向けにボランティアの方から聞いたことの受け売りと私の感想を書き記したいと思います。
栗林公園について
栗林公園を作り始めた高松藩初代藩主の松平頼重は水戸黄門こと水戸光圀のお兄さんです。100年かけて作庭されたそうです。広さは後ろの山(紫雲山)を含めて75ha、平坦な部分で16haあります。
16haもあると、景色をまとめるのが難しそうです。実際、庭園内部はエリアというかクラスターに分かれていて、それぞれでひとまとまりの風景を楽しむようになっていると思います。16ha全部を俯瞰して見るようにはできていないようです。
特徴は、後ろの紫雲山を借景として利用していることです。また、水は湧き水で水質がきれいだとのこと。
一番景色が良いのは「飛来峰」という15mほどの高さの築山からの景色です。
公園をめぐってみましょう
まず、北湖の右側から歩きます。
夫婦松
一本の松ですが、左の枝が赤松、右が黒松です。多分、昔接ぎ木したんでしょうね。
日暮亭(ひぐらしてい)
茶室です。お茶飲めるようになってるみたいでした。これとは別にもっと古い旧日暮亭というのがあります。
旧日暮亭の降り蹲踞(つくばい)
せせらぎの真ん中にある丸いヤツです。地形のやや低いところに蹲踞をおいて手水(ちょうず)を使います。待合と躙り口(にじりぐち)は、この写真の反対側にありました。
樋桶滝
お殿様の鑑賞用ために作った滝です。水を上まで運んで貯めて置いて流したそうです。涙ぐましいです。現在はポンプアップしています。
前の池に群生しているオニバスが場違いな感じです。個人的にはすんごく気色悪いです。
涵翠池(かんすいち)
背景の紫雲山を映して楽しむための池とのこと。
掬月亭(きくげつてい)
涵翠池のすぐ横にある建物です。掬とはすくうという意味。お茶が飲めます。
根上り五葉松
掬月亭の脇に立ってます。もともとは盆栽だったそうです。五葉松はこれだけです。葉が細かいので手入れが大変だろうと想像します。
南湖に船が浮いていた
船で池をめぐるツアーがあるそうです。優雅ですね。真ん中の島につつじが植わってますが、右側のやつがハート型をしているので恋人に人気だとのこと。自然とできたそうですが、これを売りにするのは無理やり感があって興ざめです。
飛来峰から見た南湖の景色
紫雲山を背景にして、自然と造形物が調和した見事な景色です。
芙蓉峰からみた北湖の景色
こちらは造形物はほとんどなく自然美が楽しめます。
蛇と遭遇
芙蓉沼のあたりを歩いていたらにょろにょろと動くものが。
商工奨励館
公園の中に建ってる商工奨励館の内部(2階)です。名前は忘れましたが、家具デザイナーの家具だそうです。涼しく休憩できます。
香川県の造園課が管理していた
後で調べると、この庭園は都市公園として条例設置されています。カフェを除いて指定管理者への委託ではなく、県の造園課の直営のようです。職員の方々が草刈り、剪定をされていました。来園者数は年間70万人ほどとのことでした。年間2億円強の入場料収入ですね。維持にはそれ以上かかるのではないでしょうか。県の一般会計からの繰り入れがされていると思うので、観光客はお金を落としましょう。
「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」において、栗林公園は「わざわざ旅行する価値がある」を意味する最高評価の三つ星に選ばれています。
行く価値のある庭園です。皆さんも四国に行った際はぜひ訪問してみてください。